キューティクルがダメージを受けた場合
キューティクルは建物の外壁のように、外界からの刺激に対するバリアの働きをします。
キューティクルは角質化したタンパク質(爪と同じようなもの)ですから、非常に硬くて丈夫です。
しかし、1枚1枚のキューティクルは厚さわずか0.5~1μm(0.0005~0.001mm)と非常に薄いため、
しっかり重なりあっていないと強さを発揮できません。
キューティクルがダメージを受けるのはどんなとき?
もっとも大きな原因は「摩擦」です。
キューティクルは化学薬品などには強く、変質しにくい成分です。
しかし非常に薄いために、物理的な摩擦によって、はがれたりすり減ったりしやすいのです。
無理なブラッシングや念入り過ぎるブラッシング、そして髪を傷つける形状や素材の毛を使ったブラシの使用などが
キューティクルにダメージを与えます。
そして髪を強くピンやゴムなどで束ねることも摩擦を生む原因になり、髪にダメージを与えてしまうのです。
また、キューティクルは髪が湿っているとひだが開く性質があるため、髪をよく乾かさない状態で寝ると、
枕との摩擦でキューティクルは激しく傷みます。さらに、熱もキューティクルの大敵。
いくら硬いとはいえタンパク質なので、熱すぎるドライヤーの風にさらされると変質してもろくなってしまいます。
できるだけタオルドライで水分を取り、ドライヤーは短時間で仕上げるのがコツでしょう。
なお、長時間紫外線を浴びることもキューティクルにとってはNG。
夏場だけでなく、紫外線量の多くなる5~9月頃までは日傘や帽子などで直射日光をできるだけカットしたいものです。
キューティクルがダメージを受けるとどうなるの?
「髪の主な組織はコルテックス。キューティクルは表皮のようなもの。
じゃあ、キューティクルが傷むだけならたいしたことないのでは?」そう思う人もいるかもしれません。
しかし、さっきもお伝えしたように、キューティクルは建物の外壁のようなものです。
丈夫な外壁が無くなったむき出しの建物は、たちまち傷んでしまいます。髪もそれと同じことなのです。
キューティクルがはがれると柔らかいコルテックスがむき出しになってしまい、
外からの刺激(ダメージ)を直接受けて、ハリやコシ、そして引っ張る力に対する強さを失ってしまいます。
そして、これが切れ毛・枝毛の原因になるのです。
またキューティクルは髪の内部の脂質や水分を保つ役割も果たしていますから、
キューティクルが失われると髪がバサバサになってしまいます。
キューティクル自体はとても透明度の高い艶やかな物質ですから、
それが失われるということは、髪の艶や輝きも失われてしまいます。